第一章 二人の男

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こうも悠人の事を言わないでいる彼の事を思うと、 どう聞いていいのか?わからなかった。 「サクラ?…私は?なにかな?」 私の不安な気持ちが伝染したかのように、秀俊さんもまた不安そうだった。 「サクラ?どうした?やっぱりどこか痛むんだろ?頭か?」 彼の…秀俊さんの優しいまなざしに私は吸い込まれていた。 どうしたのか、私が聞きたいのに…。 「秀俊さん…。」 「うん?」 そっと、私の髪を触れてくれていた。 「なにも…考えず、横になっていた方がいい。」 グイィーン。 大きな音を立てて出入り口の扉が開くと、悠人がビニール袋を覗き込みながら入ってきた。 「な?あんた、俺と好みが一緒だったんだな?うん?サクラ!目覚めたのか?」 入り口を入ってすぐ長方形のソファーがあり、そこにビニール袋を無造作に置いて駆け寄るなり目を見開いていた。 「おい!あんた!」 私に触れていた、秀俊さんの手を悠人は軽く叩き離させた。
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