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2匹のワンちゃん
教室に戻る頃には授業はもう始まっておりしっかり先生に怒られて席に戻った
その時チラッとあの子を見たら未だに嬉しそうな顔をしてクッキーを眺めていてあまりこちらに気を取られていなかった
あんなに嬉しそうにされるとこっちも嬉しい…
またあげようかな…
逆に九条の方は授業が始まっててクッキーをすぐに貰えないことに拗ねていた
授業終わりにすぐ俺の席に来てクッキーをねだってきたからあげるとさっきと同じようにまた無言で食べ進め食べ終わったら藍のやつを奪い取ろうとしてた
甘いもん好きなんだ。今度他のやつも作って上げたい
流石にクッキーをあげすぎて無くなってしまった
そのまま教室を出ていくかと思ったら意外とちゃんと残って授業を受けていた。ほんとただの良い奴じゃん
_______
昼休み
「藍!食堂行こう」
「おう!美咲も誘っていいか?」
「うん」
よかった、九条に好きな食べ物とか聞きたかったしちょうどよかった
また言い争ってるけど無理やり藍に連れてこられる九条の図が面白くてまた笑ってしまう
それを九条に見られてしまったらしく俺にまで文句が飛んできた
「九条好きなお菓子とかある?」
話を逸らそうとちょうど聞きたかったことを尋ねる
「なんで言わないといけないんだ」
「また作ってあげたいと思ったんだけど」
「……お菓子」
「特には?」
「……マカロン」
思った以上に可愛い答えがでて笑ってしまう
それにまた気を悪くした九条が怒る
いや、確かに今のは俺が悪い
作るのがムズいやつ選ぶから!と言い訳すると納得して怒りを収める九条
ほんと素直すぎてなんで不良してんのって感じだ
てか、藍のやつが静かだな?
見てみると何故か拗ねたような反応をしてる藍
「藍どうかした?」
「俺たち親友なのになんで先に聞かねえの…」
「え?うーん、?九条美味しそうに食べてくれるから?」
「俺だって美味しそうに食べてた!」
確かにそうだけど…
怒りをおさめるために聞いたとか言ったらまた九条が怒りそうだし
なんで藍はこんなに怒ってんだろ?
「で、藍は何が好きなの?」
「ケーキ!ショートケーキ!」
拗ねた子供のように大きな声で言う藍
弟みたいで可愛い
「分かったって!おっきいの作ってやるから許してよ」
頭を撫でてそう言うといくらか期限を良くしたようで安心する
「おい、俺のも大容量で頼むぞ」
「お前はもう少し遠慮をしろ!俺のクッキーも食べた癖に!」
「1個や2個だろ、そんなキレんなよ」
「4個だ!」
こいつら喧嘩ばっかしてんな
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