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食堂到着
「凄いな!この学園!」
席に着くや否やすぐに興奮した様子の藍が落ち着きなく口を開く
確かにこの学園の食堂は凄い
お金持ち学校だから当然なのか2階席まであるこの食堂は驚くほど天井が高く、吊るされたシャンデリアも一つ一つ豪華で綺麗だ
机や壁、床とかも大理石とかで出来てるしね
俺も編入してきた時はひとつひとつ驚いてた
「注文はこのタブレットでするからね」
「これも最新式だな!」
一つ一つに大きな反応をする藍
見えない目を輝かせている気がして可愛いらしい
「俺、オムライスにする!」
なんと可愛らしい注文…と思ったがすぐにその思いは壊される
特盛の特盛、1番大きなサイズを頼んだからだ
それ、大食いなやつとかでも結構きついらしいんだけど
「それ、食べれんのかよ」
「まかせろ!俺残したことねえから」
絶対食べきれないと思うけど食べたそうだったから何も言わないでおく。
どうしよう、食べきれなかった時のために俺少量にした方がいいかな…
「お前が好きなやつ頼めよ」
俺の悩んでることに気づいたのかそう言う九条に驚く。周り見てるしほんと良い奴だなっと思ったけど「自業自得だ、食い意地が強すぎるんだ」
ムスッとしながら言うから不機嫌そうなのが分かる
さっきのまだ気にしてたのかよ…
________
「お待たせ致しました。」
頼んでまだそんな経っていないのにすぐに運ばれる豪華な料理。ほんとこの学園の料理人たちは凄い
「ありがとうございます」
「えっ、……あ、申し訳ございません。失礼しました。」
あっ、あの人見ない顔だし新人さんか
あの反応にも納得が行く
「お前偉いな」
「なんでだ?」
九条が急に褒めるもんだからびっくりした
それがなぜか藍が九条に尋ねる
「この学園じゃおぼっちゃまばっかで礼儀とかないやつばっかだからな。礼を言うやつ初めて見た」
「へー!そうなのか!偉いな奏多は!」
そんなことない、俺は編入生だからこの学園の人達と少し変わってるだけだし親が料理人だからあの人達の凄さがわかるだけ
それだけなのにこの2人は褒めてくれる
この2人の方が周りを見てたりそういうとこに気付けたりするからよっぽど凄いって
「これからは俺達も言わないといけないな!」
「俺は言わねえ」
「美味しいスイーツ作ってくれてんだぞ」
「……わかったよ、言やいいんだろ」
藍が九条を説得する
初めは否定から入る九条だがなんだかんだ言ってちゃんとやろうとするから憎めない
ちょっと素直じゃないだけでほんとは凄い良い奴だし
この2人見てたら無性に湧いてくる願望
ワンちゃん飼いたい……
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