俺たち親友だろ!

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俺たち親友だろ!

「ていうかさっきから気になってたけど転校生君ってなんだよ!ちゃんと名前で呼べって」 転校生君に指摘されてやっと俺が今までずっと転校生くんと呼んでいたことに気づく どんだけ失礼なことしてたんだ せめて苗字で呼ぶとかあるだろうに 確か名前は藍沢千愛だったよな 「それもそうだね、…藍って呼んでいい?」 「はあ?なんで藍?千愛って呼べよ」 平然と下の名前呼びを勧めてくるこの子に天然のタラシの才能がありそうだと考える もしかして担任もこの天然タラシに惚れたのか? 「だって藍の方が可愛いし呼びやすくね?」 俺がそう言うと初めは唸って嫌そうだったけどしぶしぶ承諾してくれた 「まあ、なんでもいいけど、お前の下の名前はなんだ?」 「奏多、藤崎奏多」 「じゃあ奏多よろしくな!」 ナチュラルに下の名前呼びだな 藍らしくてクスッとする 見た目にそぐわない明るい性格がアンバランスでおかしい。こんなことを言ったら藍が怒るだろうから言わないでおくけど そのアンバランスさがかえって面白いんだけど 「うん、よろしく藍」 (キーンコーンカーンコーン) しっかり無視したことの謝罪もできスッキリと明るい気分になる その後たわいも無い話をしていると予鈴が鳴ってしまった 昼休み何も食べないで終わっちゃった… まあ藍の誤解も解けて友達にもなれたし美味しいご飯食べるよりもいい事あったから良しとしよう 教室まで帰りながら今日の夜はどうするのか聞いたらもう誰かと食べる予定が入ってるらしい 凄い、誰と食べるんだろう 失礼とは思うけど藍と仲良い人がいるなんてちょっとビックリだ 比較的近い所だったから空き室から教室までの距離はさほどなくすぐに教室に着いてしまった はぁ、楽しい時間ってほんとすぐだ 「別々に入ろっか」 さっきは人がいないところだったから普通に話すことも出来たし友達にもなれたけど教室では人の目が集まるだろう。悲しいけど人の目があるところではあまり仲良くしない方がいいだろう そう思って提案するしたんだけど 「なんで?」 あまりにもすっとんきょうな声で心底分からないという感じで疑問そうに言うから俺も何が正解か分からなくなる 「なんでって、」 「俺たち親友なんだから一緒にいて悪いことないだろ」 親友という言葉に驚いて固まってしまった 固まった俺を引っ張るように教室に入る藍 周りから見れば手を繋ぐように入ってくる藍と俺に皆が注目してるけど俺はそんなことに気をやれるほど今は余裕がなかった やば、なんか顔にやけそう…
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