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席に着いても顔が勝手にニヤけそうになるから周りに怪しまれないためバレないように両手で頬を押さえつける 友達…、じゃなくて親友だって 出会って一日でしかも初めは印象悪かっただろうによく親友だなんて言えるもんだ 藍にとっては親友という言葉は友達を意味するのかもしれないけど俺にとってはそんなものじゃない 心の中では好き勝手言ってるけど藍の言葉が嬉しくてたまらないのは自分が1番わかっていた どうにも気が緩みきっていた そのせいで後ろから近づいてきた子に気付かなかないでいた 「奏多くん、あの転校生と仲良くなったの?」 肩に手を置かれ俺にしか聞こえない声量で話す あの時余裕がなくて引っ張って連れて行かれるのが妙に小っ恥ずかしくて本当に周りを見てなかった。よりにもよってこの子も見みてたとか 「そんな反応しないでよ、別に虐めたりなんてしないから、…奏多くんにはね…」 そんなの藍を制裁するって言ってるようなもの それは俺が1番避けたかったものだ 「やめ、」 「どーしたんだー?」 やめて欲しくて言おうとしたら何も知らない藍が来る その途端肩に置かれていた手がぱっと離れる 「なんでもないよー 」 あの作り笑顔はいつ見ても何度見ても慣れない 何を考えているのか全く分からないから じゃあ、気をつけてね… と言い残し自分の席に着席する 「ん?大丈夫か、奏多」 自分はそんなに心配されるほどの顔をしていたのか、不安が消えない 「うん、なんもないよ」 あの子に目をつけられたら本当に藍でもやばいんじゃないだろうか どうしよう、やっぱり… 「だから心配すんなって」 俺が守るって言っただろ 俺にしか聞こえない声で言う藍 声も平常より低いような気がしてびびる でも、直ぐに顔を上げて二ヒヒなんてさっきとは違う悪ガキみたいな笑みを浮かべる ていうか、今心配してんのは俺じゃなくて藍の方なんだけどさ 「藍は凄いな」 次の授業の先生が入ってきて皆それぞれ席に座る それでも藍はこっちを見て当たり前だろなんて言うからほんとどうでも良くなる 「奏多は笑ってる方がいいからな!」 「会ってすぐのやつに何がわかるんだよ!」 久しぶりにおちゃらけで話すことが出来る なんだ!と少し怒ったふうに見せる藍だけどやっぱり悪ガキみたいなイタズラな表情 凄いな、ひとりじゃないって感じで楽しいかも 「また、あういうやつばっか、…なんでいつもそうなの……奏多くん」 あの子の声はとても小さくて誰にも届くことはなく騒がしい教室の中紛れていく
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