有里沙②

2/3
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
朝起きると、二日酔いでこめかみがズキズキとした。 まあ、慣れてるしこれくらないなら平常運転だ。 カーペットの上に置かれたスマホを開くと、昨日撮った動画の画面が表示された。 そうだ、編集しようと思ってたんだ。 とりあえず楽に編集できそうなアプリを検索して、一番評価が高いやつをダウンロードした。 へー、音楽とか字幕のフォントとか選べるんだ。 んー、まあ、どれも大して変わらないでしょ。 私は適当に一番最初に表示されたものを選択した。 元彼との悪魔のクリスマスのこと、どこから書こうか。 出会った時のことからダラダラ書いても詰まらないよね。 クリスマス当日のことをそのまま書こう。 玄関を開けてそわそわしている彼。 いきなり、別れてほしいと言ってきた彼。 私の友達との二股をサプライズ暴露してきた彼。 ケーキをパイ投げばりに思いっきり投げつけたこと。 彼が少女漫画の主人公みたいなセリフを最後にプレゼントしてくれたこと。 書きながら思ったけど、こんなにサプライズなクリスマスってなかなかないよね? ケーキを投げつけた時の彼の呆然とした顔、なかなか面白かったな。 彼の顔を思い出しながら、ぷぷっと笑った。 あの日から数日間はもうどん底にいたけど、 今はそんなこともあったなって笑えるくらい回復していることに気がついた。 うん、思いっきり笑い飛ばしてやろう。 この動画をアップして、酒のつまみにしてやるんだ!
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!