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「いらっしゃ・・・あっ」
天神に戻り二人で屋台に顔を出すと、おじさんが驚いた顔をした。
「姉ちゃんやったんやな……悪かったなあ。うちの息子が」
「違うんです。私の勘違いが原因だったんです。お騒がせしてすみませんでした」
「いやいや謝らんでいいばい。むしろこんなバカ息子を……ほんとありがとうな」
おじさんの優しい眼差しを見ながら、横の裕太をちらり覗くと、目に見えて緊張していた。
そうだよね。
でも言うなら、一度のほうがいい。
「それと……子どもが、できたんです」
カラン。
手に持っていたお玉を落としたおじさんの表情が、みるみるうちに変わっていく。
「なんやって? 裕太! お前順番ってもんわかっとると……」
「あんたやってそうやったやろうが」
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