始動

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〈彼女が欲しい? それならまずは第二相談室へ!〉  なんなんだ。簡潔だが簡潔すぎて意味がわからない。そして何より、とてつもなく怪しい。  はたして、校内サイトのこんな募集に応じる人間がいるのだろうか。 「冷やかしとか来たりして」  思わずそんな心の内が漏れる。  ほんの小声だったはずなのに、くるみはしっかりと聞き取り「あら」と笑った。 「このあたしが、冷やかしなんて許すと思う?」  はい。野暮なことを口にして誠に申し訳ありませんでした。 「どんな人が来るか楽しみね。──たとえ冷やかしでも」  くるみがにこにこしながら言った。 「……」  あまりの怪しさに冷やかしすら来ないんじゃないか──くるみの手前口には出さないものの、そんな思いが渦巻く。  だがそれは大きな間違いだった。  しかもそれを、俺はわずか一週間後に思い知ったのだ。
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