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ここで会ったが運の尽き
「──あ、やべ」
下校しようと昇降口で靴を履き替えた瞬間だった。
若干面倒なことを思い出してしまったのだ──数学の宿題である。
明日早くに登校して始業前に片付ける手もあるが、そのためには普段より三十分は早く起きなければならない。
正直それは──嫌だ。
一瞬の逡巡ののち、俺は教室に戻ることにした。
今日の十分は明日の三十分──みたいなことわざがあったような気がする。なかったかもしれない。
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