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「……もし女子の希望者が来たら?」
まさか俺がどうにかしないといけないのだろうか。
絶対に無理だ──よく知りもしない女子に恋愛の指南なんてできるわけがない。いや、よく知っている相手だったとしても無理だ。
そんな俺の内心を知ってか知らずか、くるみはどこか呆れたように首を振った。
「あのね、うちの学校の女子ってね、男子が思ってる以上に慎重でプライドも高いのよ。断言してもいいわ──こんなとこに来るわけがない」
よくわからないが、少なくとも俺の出る幕はないらしい。
我ながら情けないと思いながらもほっとする。
「じゃあこれは男子のための部活ってこと?」
俺がそう訊くと、くるみはなぜか意外そうに目を瞬いた。
それから例によって不敵に笑う。
「……さあね」
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