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 ダダダ……  キンキン!!!  ドッカーン!!  あたりに耳をつんざく金属音が鳴り響いた。  ここはソーサク国、リスタ市。その最北端では、今日も激しい戦闘が繰り広げられていた。  またひとり『私』が倒れた。斜めからの辛辣な跳弾(コメント)が、同士の頭を貫いたのだ。  確かめる必要すらない。即死だった。  私はあらためてボロボロになったヘルメットを被り直し、相手の気配を探った。だが彼らは巧妙にその姿を隠す。私には何も感じ取れなかった。  あたりには朽ち果てた『私』の残骸が転がっている。残骸と表現したのは意図的だ。みな死んだわけではなく、とつぜん起き上がり(ペン)を握り直す者がいるからだ。だがそれも長くは保たない。  大半の『私』は挫折と再生を繰り返し、最後は風の前に塵となって消えていった。 「きさまら気張(きば)らんか!! 弾幕が薄いぞ! 手を動かせ! 書いて書いて書きまくれ! そんなナマクラな文章で読者(あいて)心臓(ハート)を撃ち抜けると思うなよ!!」  死人さえ復活しそうな軍曹の怒鳴り声が、戦場に響いた。  その言葉がカンフル剤となり『私』たちの動きが活発になった。ある者はペンで、ある者はキーボードで、スマホで、それぞれが必死に文字の弾丸を放つ。  しかしまったく指の動かない者たちがいた。
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