♯10 辺りは暗闇に

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♯10 辺りは暗闇に

 僕もだ。もの凄く亜蘭が可愛らしく魅力的に映った。  紅くポッテリとした肉厚の唇が妙に(なま)めかしい。  あァ……。キスがしたい。 「ハアハア……」知らないウチに呼吸が荒くなっていく。  まるで100メートルをダッシュしたような感じだ。  全身からジワッと汗が滲んでくる。  美少女の顔がすぐそばに寄せられた。  今にもキスしそうなほど接近している。 「ン……」  甘く熱い吐息が僕の頬を撫でていった。  徐々にピンク色のガスが、かすれて色を失っていく。 「ゴックン……」思わず生ツバを飲み込んだ。  ごく自然に僕たちは引き寄せられた。  今にも唇が重なりそうだ。  しかし、その瞬間、目の前が暗くなった。 「キャァァーー」  また亜蘭が悲鳴を上げて僕に抱きついてきた。 「うゥ……」僕は全身を震わせ、ただ()されるままの状態だ。  どうしたんだろう。いったい!!  突然、辺りは暗闇に閉ざされた。    ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*
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