3人が本棚に入れています
本棚に追加
倫子が最初に行ったのはハローワークでした。
(求職件失業手当手続き等
に。)
その次に行ったのが不動産屋。そう。買い物件契約した不動産やです。
「え?失業しちゃった、ですかぁ、」
感じ悪いこの受け付け女。
いや、担当者と言うべきか。
あたしとそんなに年変わらなさそうなのに。
「困っちゃったですねー。」
そーよ、困ってるわよ。
…いちいち喧嘩売られてる気になるのは何故でしょう。
「そうだ。ルームシェアなんてどうですか?」
…え?
クソ女がネイルの指ヒラヒラさせて
「ほら、部屋余ってるでしょ?湯島さん、ひ・と・り・だし。」
うるさい。うるさい。うるさいわっ。
…でもそれ。
「募集してみましょ、ルームシェアします、て。湯島さんのの部屋は3LDKですから、そうだな、一部屋、月々四万とか。…うまくいったらローン楽になりますよ?」
…うん。 確かに。
「じゃ承りましたよ。メイトさん決まったら連絡しますね。」
どうも、…ありがとうございます、
アタマさげて帰ろうとしたとき、
「あ、…やっぱ女の子にしときます?同居人。」
はあぁ???
「やー、いっそ男子にしとく方が何かと手っ取り早くていいかな、とか。欲しいかなって。」
はあああ???
「…あ、はーい。やめときましょね。はぁい。女の子限定で、てことで。」
こいつこいつこいつこいつ………!。
いつか絶対殴ってやる。
いつか、いつかっ…。
そして、そいつから電話が来たのは四日後でした。
「あ、湯島さん、決まりましたよ。えっと、ハッタアイコさん、21才だそうですけど、…ワカイコって大丈夫ですよね?」
当たり前だっ!ほんといちいちムカつく女だわ。
「直接行ってもらいますので、はい。よろしくぅ。」
そしてやがて、
いつか、ピンポンが鳴って、
「アイコです。…こんにちは。」
もそもそと鞄ひとつで来たのがアイちゃんでした。
最初のコメントを投稿しよう!