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もちろん、「思念」は、正常な思考能力を持つものではない。
進んだ科学の力で、僅かに残っている残留思念を呼び覚ますのだ。
そして、思念を言語化し、生きている人間と語り合えるようにまでした。
昔、「幽霊」と呼ばれていたものと話ができるようになった。そんな感じだろうか。
なぜこうなったのか?
全ては人間の限りない欲のなせることだ。
永遠に生きたい。
或いは、亡くなった人間と話がしたい。
話せるのであれば、どんな形であろうがかまわない。
例え、それが幽霊や遺体と呼ばれるものであっても。
それが人間の限りない欲望だ。
科学はどんどん進歩を続けたが、これらの人間の願望に叶うものは無かった。
だが、ついに人類は究極の願望を実現した。
不死の願いは、まだその先になりそうだが、愛する人の強い思念が残っていれば、会話をすることができるようになったのだ。それだけでも人々は歓喜した。
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