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脱衣所
脱衣所を覗くと、玲子が驚いたような顔をした。
「脱衣所も広いんですね」
「そう?」
「お家、大きいなって前から思ってました。お庭も広いし」
「そうかな」
脱衣所の電気をつけようとした手を里保子は引っ込めた。窓から差し込む自然光に照らされる玲子の腕を見つめると、蛍光灯の光を付けるのはもったいないような気がしたのだ。かわりにバスタブの栓を閉めようとすると、シャワーだけで十分だと玲子に止められる。
「お湯いいの?じゃあもう浴びられるよ」
「ありがとうございます。失礼します」
里保子はバスタオルを出したり石鹸の有無を確認したりして、しばらく脱衣所を去らないでいた。
子どもっぽい一縷の望みの通り、玲子は里保子の存在を特に意識するでもなく、手早く服を脱ぎ始めた。
黒に白の線がそれぞれ両腕に入る半袖のジャージから腕を抜き、スポーティーなタンクトップをまとっただけの姿になる。
焼けた腕。
筋肉質なこの体は、スポーツを何か、やっているんだろうか。
タンクトップの紐の下は?
……
……ジャージのズボンを脱ぐと?
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