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被害者はAの交際相手──Bさんとしよう。
Bさんは現在、重体という話だ。
凶器も確認されている。
それらが揃って尚、Aさんは黙秘を貫き、ある条件を出した。
有能な記者にのみ全てを話します。
その時の会話を供述をして取るのは構いません。
それ以外で話すつもりは一切ありません。
そんな事がまかり通るのか──まかり通った今、私はここにいる。
「えっと、あたしはユウト君と付き合ってるんですけれど、それは知ってます?」
突然、年相応の、まるで友達にでも話すような口調になって驚いた。
ぎこちなく頷く。
Bさんの名は、ユウトと言う。
間違いはない。
「普通に大学のコンパで出会って、普通に何回か遊んで、普通に付き合ってってユウトから言われて、あたしもそうだったらいいなっていう感じで──うふふ」
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