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 照れからかはにかむ彼女に、その時の私は心底、ぞっ、としたものを感じた。 背中が冷たくなるとでも言おうか、ひどく寒気がした。  その出会いは彼女達の周りの人の証言と矛盾はない。 喧嘩したという話も聞いた事がないくらい仲睦まじい二人だったと。 「Bさんはどういう方でし──ですか?」  過去形、終了形はおそらく彼女の何かを踏んでしまう気がする。 先ほどAさんはと現在形で話している。 まだ、彼女の中では生きている関係だ。 「優しいですよ? 付き合ってる人だからそこは当然ですけれど、あと少し怖がりなんです」 「怖がりとは、高いところや幽霊?」 「あっは! そんなんじゃなくて、あたしが離れるんじゃないかって、そういう怖がりです。別れるつもりなんてさらさらないのに、なかなか信じてくれなくて」
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