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しかし私は聞かなければならない。
最初の違和感は、ここ。

「あの……付き合っていたでは──」

「──別れてませんよ？」

　私ではなく視線を別にやっていたAさんの目が、ぐりん、と、私に戻った。

「な、ぜ？」

　何故。

「逆質問失礼します。何故、だと思いますか？」

　Bさんの行動は暴力的、または暴力そのものであり、女性に対する──人に対する行動ではないと私は思った。
それゆえ、Aさんは精神的な病を発症しているのではないか、と考えに至ったのだが、Aさんからはそれが見受けられない。
専門的な知識も学もない私だが、そう思ってしまうほど今の話はおかしなものだった。
気づいていないのは彼女だけ、記録を取っている警察官もその異常さからこちらを見ているではないか。