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その約束が破られた詳細はこうだった。
「ユウト君、仕事の帰りにプリン買ってきてってお願いして、約束って言ってたのに買ってこなかったんです。あたしどうしても食べたかったのに、なくないですか? だから飲んでもらったんです──針」
犯行に使われた凶器は、針。
Bさんの胃や食道、口から。
飲み切れなかったか、飲むことを断ったか、体中に刺されたおびただしい数の針は彼の体に刺され、埋まり──飲ませられていた。
そしてAさんは微笑んだ。
「あたしは嘘をついていません。これからだってそうです──だから、あと一本なんです。ツボミさん、ここから出してほしいんです。どうしてもユウト君に飲ませなきゃなんです。じゃないとあたし、嘘つきになっちゃう。お願いします」
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