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のどかな昼下がり。
竹籠を背負った水色の長い髪が美しい細身の少女と金色のウエーブかかったセミロングの髪の小さな女の子が仲良さげに歩いている。
――ウィシ村。
緑に囲まれた小さな小さな村――
「嫁にはやらーん!」
村中を轟かさんばかりの男の大きな声が響き渡る。
ドサッ……
「ハレホレヒレ~……」
鈍い音とともに二人の前に黒髪のツンツン頭の青年が転げ落ちた。
「何事なの?」
少女はいきなりの出来事にきょとんとしている。
隣で小さな女の子が驚いて少女にしがみついている。
「あうああ……」
変な呻き声をあげながら青年は雑に転げている。
「何故、この人飛んできたの?」
ツンツン、ツンツン……。
少女は屈んで、呻いている青をつついた。
隣で小さな女の子もじっとみている。
「おっかえり~娘~」
二人が倒れている青年を見ていると、大柄で体格のいい男が家から勢いよく飛び出してきた。
少女を持ち上げぐるぐると回した。
「お父(とう)!」
ぐるぐる回されながら少女は声をあげた。
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