6.手加減なんてしないよね

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午後になって少し和らいだとは言っても、まだまだ日差しが照りつける。そんな中、スタジアムのど真ん中には各組の応援団と、団長、副団長の姿が。 俺たちは応援席に並び、観覧の姿勢。 実は俺は副団長ではない。何度か推されたが、頑なに拒んだ。茜はともかく、叶恵さんの女房役など荷が重い。そう言うと何やら誤解された。面倒くさいので流した。 という訳で、我らが副団長は詩音である。エキジビジョンに出るから、半ば強制的に。まぁでも本人は結構乗り気だった。紅組の副団長は菫。がんばれがんばれ。 「こんな暑い中よくやりますね」 「団長も副団長も参加必須だからねー」 「写真撮ってあげよーっと」 「…彩、水、足りてる…?」 「大丈夫ですよ」 「えっ、五色様が三人も…??」 「天国?ここは天国?」 「絵面が副会長総受けの見本」 ……最後の奴、絶対腐ってんな。 「おーおー、若い奴らは元気だな」 騒がしい中でも不思議と耳に届いたのは、久々に聴く色艶の混じった低音。一際高い悲鳴がそこかしこから上がった。 「保健室から出てくるとか、天変地異の前触れですか?」 この暑い中、白衣をまとう変人が…あれ、二人いる。 「いや、日向に連れ出された。怪我人が出た時のために待機しろって」 「それはただの建前で、本音は自分が炎天下にいるのに旧友は涼しい保健室に居るというクソみたいな状況を回避したいからだよ」 「道連れ?どんまい瀬尾先生」 日向先生も一緒だったのか。
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