1.はじめましてのプロローグ

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「ねっっっみぃ……」 「(アヤ)、ここ、教室」 「眠いものは眠いんですよ(アオイ)サマ」 「様づけはやめてって言ってるのに…」 「まぁまぁ、彩にも体裁というものがあるからね」 俺、式部彩(シキブ アヤ)は極度の眠気と必死に戦っていた。原因は言うまでもなく、役職の仕事。生徒会副会長の忙しさは伊達じゃない。 「だから僕が手伝おうかって言ったのに」 「仮にも主に仕事を回せるわけないじゃないですか」 「仮にも(・・・)ってなんだい仮にも(・・・)って」 「仮にも主に仕事回せるわけないじゃないですか」 「二回言った、だと…!?」 「(スイ)、うるさい」 葵が翠を黙らせ、そのまま席に連行する。と言っても二人は“五色(ゴシキ)”、俺は“式部”なので席は近い。というか翠と前後だ。 座ってからもちょっかいを出してくる翠を適当に、世間体は気にしつつあしらう。眠いんだよこっちは。 俺が寝落ちる前に、五色と式部、そしてこの学園について説明しておこうと思う。何故様づけで呼び呼ばれているのかなど、いくつか疑問があると思うから。
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