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目を見開く一年二人。眼球が落ちそうなくらいかっ開いてる。そりゃ驚くよな。バイトしそうなタマじゃないもん。必要も無いし。
「どうやって料理長の審査に合格したんですか?」
「…んっ、と」
顎に手を当て、思い出す仕草をする。唇がきゅっと結ばれた。
「……合格、というか。スカウトされた」
「それは初耳です」
「それな〜」
「同じく」
「…あれ、言ってなかった?」
こくり。頷きが三つ。
「……ごめんね?」
首こてしながら謝罪するなあざとい萌えた。これだからわんこは。
一年生はまたもや目を見開いている。落ちる落ちる。手を伸ばし、目の前で振るとハッと我に返った。
「すみません、びっくりしたので」
「あの料理長からスカウト…?やっぱ“五色”様、色んな意味で規格外だわ……」
「宮下」
「てっ、あ、すみません。情報量多過ぎてキャパオーバーしてました」
樺倉くんが頭を小突き、ぺこっと宮下くんが頭を下げる。良いコンビだな。
[お食事中のみなさーん、あと十分で午後の部始まりますよー]
八神さんの声でアナウンス。
「次、応援合戦でしたよね」
「そろそろ行こうか」
「二人とも、いっぱいお話聞かせてくれてありがとね〜」
「あっ、こちらこそ!!ご一緒させていただいて、ありがとうございました!」
「ありがとうございました」
「……ばいばい」
各々で別れを告げる。宮下くんは最後のばいばいに綺麗に撃ち抜かれていた。
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