10分は意外にも大きく長い。

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10分は意外にも大きく長い。

7時45分。 僕は目が覚めた。 「は?」 携帯には時計の画面がでかでかと表示されている。 『まさか…目覚ましかけ忘れ…?』 考えている暇はない。 壁時計はもう既にいつもなら家を出ている時間が書かれ、僕は目を疑う。 素早く制服に着替えると 置いてあった菓子パンの袋をむんずと掴み、家を出た。 「はっ…はっ…」 テンポよく息を吐いて走る。 これでも陸上部のエースなんだ。舐めるんじゃない。 勢いよく電車に駆け込んだは良いものの、 HR(ホームルーム)開始5分前に駅に着くらしい。 これは流石の俺でも何かとキツい。 しかもさっき結構全速力で走ったのでもう体力の残りが無い。 このままじゃどちらにせよ授業で寝てしまいそうだ。 まあ…しょうがないか。暗いんだもの。 そう思って僕は目を閉じた。
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