0人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は…曇りだ。
なんとも微妙なこの天気。
陽太の心の中も、こんな天気なのだろうか。
私は朝食を作りながら、ふとそんなことを思った。
やがて陽太が起きた。
陽太が眠そう、かつ不安そうな顔で私を見つめていた。
大丈夫。きっと、大丈夫だ。
私は自分にそう言い聞かせた。
そして、
「おはよう。さあ、早く着替えて朝ごはん食べなさい」
と言った。
いつもの朝のお決まりフレーズだ。
その瞬間、陽太の顔はパッと明るくなった。
そして「はーい!!」と元気な返事をして、急いで顔を洗いに行く。
やっと、本当の陽太に戻った。
私は安堵感に包まれた。
これでよかったのだ。
正しい選択だったのだ。
いつまでも悩んでいたら、人生は進まない。
陽太はまだ小さいんだから。
まだまだ人生長い。
こんなところで悩んでいたら、この先どんな出来事でも悩むようになってしまう。
だから、今は深くは悩まずに前へ前へと進める手伝いをしよう。
今だったら、着替えて朝ごはん食べるということだけに、その後は持ち物確認をして学校に行くということだけに。
人生止まってはいけない。
この言葉を心に刻もうと思う。
陽太にも、大きくなったら教えてあげないと。
人生を生きていくための大切な言葉だから。
私はそう考えながら窓の外を見つめる。
そして、こう、願う。
今日は、いや明日も明後日も、できればこの先ずっーと晴れますように、と。
最初のコメントを投稿しよう!