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「陽太ぁ~!!がんばれ~!!」
私は思いっきり声をあげる。
小学校初めての運動会。
私は最前列というプレミアムな位置で陽太を見ている。
陽太の太陽のように明るい笑顔が、今日みたいな晴れの日にピッタリだ。
今やってるのは徒競走で、陽太はスタート位置で待ち構えている。
私は興奮のあまりにスタート前からついつい叫んでしまったのだ。
相変わらず、陽太はスタート位置に立っても笑顔が絶えない。
そして、つ、ついに……この時が!!
「位置について……よーい、、、」
「パァン!!」
ピストルの音とともに、わぁ、と歓声が沸き上がる。
「がんばれー!!陽太ぁ!いけいけー!!」
私は他の人に負けないくらい、必死に叫んだ。
人間とは、一瞬で気持ちが変化してしまう不思議な生き物だ。
いつの間にか、陽太は地面に転がって泣き叫んでいたのだった…。
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