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女は少年の手を握ったままだった。
「どうしてぼくに親切にしてくれるの?」
女は少年の頭を優しく撫でて、おでこにキスをした。
「だって、あんたはこんなにハンサムなんだもん」
男どもがいっせいに笑った。
「おい、聞いたか?あの坊やがハンサムだってよ!」
女は男たちをにらみつけた。
少年は女に尋ねた。
「ハンサムって?」
女は少年の耳元で囁いた。
「あんたはとってもかわいいってことよ!」
男どもは、口笛を吹き、足を踏み鳴らしてふたりを冷やかした。
「乾杯!」
「マチルダに!」
「ハンサムボーイに!」
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