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侵獣の身体そのもの、たとえばマンティコアの銅色の毛皮もまた、工芸品や、時には衣服の材料として珍重されている。
「んー、持って帰るのはムリそうだな。こんな所で解体してる時間なんかねーし」
『当然だ。日中に回収に来ればいい。トラッカーを落とそう。そうすればまた、ここに戻って来れる』
「あ、忘れてきちゃった」
『なら、こちらで投下する』
上空を漂うドローンが、赤尾から少し離れたところに小さな塊を投げ落とした。
「それじゃ、案内よろしく」
『無論だ。帰るまでが遠足だからな』
軽口を叩き合いながら歩き出す。
粘つくように濃い闇と、嗅ぎ慣れない匂いに満ちた森では、相棒のやかましい声が殊更に心強く感じた。
(続)
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