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東日本大震災
東京へ引っ越すまで残りわずか。
荷物はほとんど、東京へ運んでしまい私達家族は母の実家で過ごしていた。
2011年3月11日14時46分
私と愛美と母とおばあちゃんでおやつにしようかと話していた頃。
船に乗ったようなゆらゆらと揺れ始めた。
幸いそこまで揺れが激しいわけでは無かったが、とても長くて恐怖の時間だったと母は言った。
そして、数日後、サイレンの音が鳴り響く東京へ引っ越してしまった。
後に聞いたのだが、両親は東日本大震災の影響で食料や日用品が買えなくて困ったらしい。
実は、荷物を運ぶ際に日用品等は「東京で買えばいいか」と思って置いてきてしまったらしい。
この震災は私達の引越しを拒絶するように感じた。
まぁ、それは半分正解だ。
ここから、私の最低最悪でも最高な人生は始まったのだから。
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「ってことがあったんだよね〜」
私は今、仲のいい友人と東日本大震災について話していた。
きっかけは授業で東日本大震災のことが出てきたことだ。
「優美も大変だったんだね〜…」
友人は真面目な顔をしながら、“でも、東京も大変だったんだよ?”と付け足した。
「それは知ってるよ!
なんか、お皿割れたりとか色々あったって他の子から聞いたことあるもん」
「そうそう!私は記憶には無いんだけれど…お母さんとかはまじ怖かったって言ってた〜」
やっぱり、地震って怖いんだな…
教室の窓をちらっと見ると、そこには照り続ける太陽にふわふわな雲、真っ青な空に校庭で走る運動部の声。
過去に何があったって時間は過ぎて、何事も無かったように私達は日常を送る。
それは、昔も今も未来も同じなのだ。
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