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二人にお礼を言って家を出る。 土曜の昼下がり。いつもなら定食屋が賑わっている時間帯。 アキさんが滞在する1週間、店は臨時休業している。 定食屋の脇から表通りに出ると、学生のグループがいた。 「休みかー。」 と残念がっている。 と、一人が俺の顔を見ている。嫌な予感がして、鈴音さんを隠すような位置に立つ。 カシャ。 そ知らぬ顔で、学生が目をそらす。 明らかに手元のスマホを隠している。 グイグイと友人をひっぱって、足早に去っていった。 「どうしたの?」 鈴音さんが不思議そうに見上げてくる。 「早く帰ろう。」 俺は鈴音さんの手を取って歩き出す。
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