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「お待たせしました・・・あれ?」
鈴音さんのドレスの端を持ちながら現れた店員さんが、目を丸くする。
「・・・早いですね。」
泣いている俺を見てクスクスと笑う。
鈴音さんも目を見開き、
「なんで?」
と呟く。
おかみさんが俺を指差し、イヒヒ、と笑う。
「カッコ悪すぎる。」
俺は泣きながら鼻をかむ。
ま、いいか。鈴音さんの前では、いつものことだ。
そして鈴音さんは、カッコ悪い俺も、泣き虫の俺も好きだと言ってくれる。
俺は幸せを噛み締める。
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