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「おかえりー。」
笑顔で迎えてくれた鈴音さんを玄関で抱き締める。
「酔っ払った?」
鈴音さんがポンポンと俺の背中を叩きながら聞いてくる。
「俺、モーセって呼ばれてるみたい。」
「王子じゃなくて?」
「人割りしたから。」
鈴音さんが笑い出す。
「全然、意味がわからない。」
俺は体を離し、鈴音さんの顔を覗き込む。
「やっぱ、鈴音さんの笑い声は落ち着くなぁ。」
鈴音さんがニコリとする。
「お水飲む?」
クルリと向きを変えて、廊下を歩いていく。
俺はあとをついて歩きながら、鈴音さんにちょっかいを出す。
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