昔話

4/8
前へ
/14ページ
次へ
居酒屋を後にし、自宅へと歩を進める。 今の時刻は23時。 周囲は暗黒に包まれていた。 彼女から連絡があるとするなら、明日の朝の可能性が非常に高い。 歩きながら俺は妄想に耽っていた。 ピピピピピピ… 突然、俺の携帯が鳴った。 明日の朝とばかり思っていたので、突然の着信に驚いた。 電話があるだけでも嬉しい。 彼女は先程、仕事が終わってから考えると言っていた。 確かに、メモ書きを渡してから既に1時間は経過している。本当に気があるなら電話があっても不思議はない。 心の準備は既にできている。さあ、来い! 「はい、もしもし。」 「先程のメモを見て電話したんですけど…   石井さんの電話であってますか?」 「はい、石井です!大森さんですよね?」 「ええ大森です。先程のメモを渡された時の答えなんですけど…」 遂に…遂に来た。俺の心臓は今にも死にそうなぐらいに脈打っている。 さあ、早く俺を楽にしてくれ!
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加