昔話

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そして今日、今を持ってこの子をデートに誘う事にした。 既に覚悟は決めている。 なんていったって一介の客と店員の関係だ。 そう容易くはない。 「あ、大森さん!ちょっといいですか?」 近くの机を片付けていた彼女を呼び止めた。 「はーい!今行きますねー!」 彼女は小走りで俺の元へとやってきた。 「あ、注文はー」 彼女の言葉を遮るように俺は言葉を挟んだ。 「大森さん、実は話したい事があるんです。」 「少し恥ずかしいんですが言いますね。」 …… 「大森さん、あなたのことが好きです!  もし気が有ればこの番号にかけてください。」 俺は事前に準備していた、俺の電話番号の書かれたメモ書きを彼女に差し出した。 「えっと…今は仕事中なので、仕事が終わってから、考えてみます。。」 彼女は戸惑いながらもメモ書きを受け取った。 「わかりました。」 彼女は少し驚いたような顔をして、厨房の奥へと消えて行った。 まずは勇気を振り絞った俺に乾杯!振り向いてくれる可能性は50:50、まだ分からない。 だが、あの驚いた様子。 これは期待できるかもしれない。
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