film one

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「どんなに綺麗な景色も、素晴らしい笑顔も。必ずシャッターを切る時に一瞬暗くなるだろう?それってさ。その瞬間瞬間を閉じ込めてるのに。」 凄い事じゃないか?それって。 「あぁ凄い事だけどさ。カメラを向けると皆幸せそうに笑顔になる。でもなんだか同時に寂しさが込み上げてくるんだ」 ハハ、変わってんな。 「もしもこの先哀しい事が起きて。この笑顔の写真を見て。俺達はどう思うのかな?」 そりゃあ懐かしむだろ? 「そうかな?そんなものなのかな?」 そんな物だろ?お前はどう思うんだ? 「俺か?俺はな・・・。」 男は、手に取ったカメラの電源を入れて 撮影された写真をスライドしていく。 多くの自分達が過ごした日々、沢山の笑顔。懐かしい景色に場所が映っていて。 またも自然と流れ出す涙。 懐かしむだろう?懐かしむ。けれど何だろうこの感情は? 男は、友人に問いかけた時の写真に辿り付いた。 そこには、自分と当時付き合っていた彼女が照れくさそうに笑っている写真。 それを見て込み上げてくる何か。 深い深い心の奥の何かが体中を駆け巡り込み上げてくる。
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