切なさの温度差

8/12

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
「そんなことない まずは知識は必要だろう」 「うん、そこから違っていたかなって。おじいちゃんみたいに、食べるの大好きな人が栄養士になれば、食の楽しさを話せるから、食べ物に制限が必要な人が目の前にいても、追い詰めないで、こんな方法で、楽しい食事しながら治療も出来ますよ❗ と話せるんだ。」 「でも、今それに気づいたんなら 知識だけじゃない、相手の立場や気持ちを考えて、栄養指導できる栄養士になれるだろう」 「ちょっと今は、学ぶことが 辛くなってきた。勉強しちゃうとその通りにやらなきゃと思う自分がいる」 「それじゃあ、瑠美の優しさが出てこなくなる。もったいない。そもそも、瑠美は誰にだってどこでだって、自分のことより相手を思いやる人だから。例えば先生になったら親にも子どもにも、最高の先生になるよね」 「先生だって専門職でしょう。今は何かを学んだらこうあるべきと考えそうで。しばらく無になろうと思ってる」
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加