社会人になるとは

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部としては大きい様だが配属の係としては主に4人で担当していたとのこと。 「よろしくね❗」田口さんと言う、優しそうな女性が、こっちおいでと呼んでくれて和やかに1日が始まった。 新人には教育担当の先輩がついてくれる。今は大抵の会社で導入されている育成方式らしい。 「先輩の、背中を見て学べ」の時代の父親が、「今の若い子は幸せだよな❗一つ一つ丁寧に教えてもらえて。でも、そうでもしないとすぐやめる奴もいるからな。」と愚痴っていたが、確かに側についてもらえるならありがたい。しっかり学ぼう。 一番年長は登さん。良く通る声で「若くてイケメンが来てくれて私達も、やる気出たよ❗」握手されて、「抱きつきたいくらいだけど、ソーシャルディスタンスね」の笑顔は 職場のムードを明るくしている方なんだろうとわかる。 「力仕事とかもあるから一緒によろしく。でも、うちの女性陣は気がつくの早いしたくましいから、俺より社員に頼られてることも多くて。反省と恐縮しないように頑張ろう❗と伝えておくよ。」と男性社員の志村さんに言われた。 そして 「初めて後輩を迎えます。まだお手本にはなれないけど、仕事の聞きやすさはあると思うので、よろしくお願いいたします。」と、挨拶してくれた夏目歌子さん。 俺は彼女を知っている。一方的だけど。仕事の相談ではなく、プライベートで話したら、きっと気が合うと思う。あのうんちく男色に染められていなければだけど。
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