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「こらー! 誰の許しがあってここでそんなことをしとるんじゃ!」
大きな声が響きます。みんなが一斉にそちらを向くと、立派なひげを生やしたお巡りさんがのしのし歩いてきます。人垣の近くでクラブを投げ上げていたピエロは驚いてジャグリングをやめます。
「これはこれは、お巡りさん。お勤めご苦労様でございます。わたくしども見てのとおりのしがない旅芸人、みなさま方のお慰みにと、こうして街から街へとお邪魔しておる次第。北の新鮮な魚のあふれる港町、南のシトロンの香りかぐわしき農村、東の万年雪を頂いた山々に囲まれた山里、西の王様のおわします繁華な都。どこでもこうした教会の前の広場にて、天の高みにおわします神様の慈しみとお役人の方々のご寛容をいただきまして、拙き芸をばお目にかけておりまする」
ピエロの口上の間に、さっきの二人も両側に並んで、うやうやしく片ひざをついてお辞儀をします。
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