第1話:不思議なキャラメル

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「あーあ。メルメルったらまたそんなことして」  箱に新しい爪あとがついているのを見て、ルネットはにらみます。  猫は知らんぷりして顔をなでています。  ルネットもメルメルも甘いものが大好きなんですが、キャラメルはメルメルがいないときにしか食べていなかったのです。  なかよしなのにずるいですって?  だって、それはお父さんが遠い北の街にお仕事で行ったときに買ってきてくれたもので、「?」の形に似ためずらしいものだったんですよ。  お昼が近いけれど、まだ「お手伝いしなさい」っていうお母さんの声は聞こえません。  おなかが空いたルネットは箱を開けて、一つキャラメルを取り出して口に入れようとしました。  するとメルメルはにゃあにゃあ鳴きながら、ルネットの顔をペロペロなめ始めました。
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