イヨの国(昼)(アイリア・リライザ)

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イヨの国(昼)(アイリア・リライザ)

〇イヨの国、郊外 昼   アイリアがリライザの手を引いて走る   リライザは息切れしているが、アイリアは元気 【リライザ】 アイリア様! これ以上国の端に近付いてはいけません! 国王様に叱られます!   アイリア、無視して走り続ける 【リライザ】 アイリア様! 今日はこの後、ウェルウィントン御一家とのお茶会が……! 【アイリア】 リライザ、ここは屋敷から大分遠いわね。 【リライザ】 ……もうっ! アイリア、他国に近付くと怒られるわ! 【アイリア】 あなたが黙っていればバレないのよ? 【リライザ】 それだけじゃない! あなたの許嫁のお家とのお茶会なのよ! 前回だってあなたの無礼でお茶会は滅茶苦茶になってしまって……! 【アイリア】 あの件はあなたも共犯よ。私の悪戯クッキー作りを手伝ったのはあなただもの。今回も、怒られるのなら二人一緒。大丈夫、クビにはさせないわ。 【リライザ】 そういう問題じゃないのよ! あなたは国王様一人に怒られればいいけど、私は国王様とお父様の二人に怒られなきゃいけなくなるの! 【アイリア】 それより聞いて! 私、ムメの女の子と仲良くなったの! 【リライザ】 ムメ!? 今、ムメと言ったの!? なんてこと……! 駄目よ、絶対に駄目! お説教なんかじゃ済まされないわ! 【アイリア】 リライザ、あなたってばホント、目先の不幸しか考えられない人間ね。だから目を悪くするのよ。 【リライザ】 これは遺伝よ! お父様もお母様も、お兄様だって眼鏡をかけていらっしゃるもの! ……ところでアイリア、もしかして…… 【アイリア】 そうよ! 今からムメに行くの! 【リライザ】 絶対に駄目! 行くのなら一人で行ってちょうだい! 私はお屋敷に戻るわ! 【アイリア】 悪かったわ、嘘よ。ムメには行かない。オワリノ公園に向かってるの。 【リライザ】 それも駄目! オワリノ公園なんて……三国どこにも属していない無法地帯じゃないの! あなた、一国の姫である自覚が足りないんじゃないの!? 【アイリア】 なりたくて姫になったわけじゃないわ。そろそろ黙ってちょうだい。新しい友達には、私がイヨの王族だって教えてないの。 【リライザ】 私は行かない! 離して! (アイリアの腕を振り払おうとする)……ほんと、アイリアの馬鹿力!
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