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「俺は有働 具視(うどう ともみ)、工学部に在籍、相棒がミャーミャー」
「ミャーミャー?」
有働は自分のパソコンを出すと、定食の間に置いていた。そして電源を入れると、ミャーミャーという声が聞こえた。
「猫じゃない。その女性は、宮本 美弥さん。享年十九歳、死亡している」
「え、十九歳で死んだの?ミャーミャー」
パソコンには可愛い笑顔の、二次元キャラが踊っていて、名前を呼ばれると投げキッスしていた。これと会話をしていたら、怪しい人間と思われそうだ。
『ミャーミャーは、死!ン!デ!ナ!イ!ここにいるモン!』
「しかし、駿河さん。本物ですね。ミャーミャーの本名を一発で当てた」
当てたのではなく、冥界で聞いているのだ。
「ピーチク!」
「ピーチクパー」
ピーチクとミャーミャーは、どこか語源が近い感じがする。
ピーチクは小指の先ほどの、小さな光の鳥になると、俺の肩にとまりパソコンを見ていた。
「ピーチク、ピチッキ、ピチッキ…………」
「相変わらず、意味不明言語だ」
このピーチクという存在は、俺の中に住んでいて、異界から地球を助ける為に来ていた。しかし、接続したばかりの界で、たいした力も発揮できず、ほぼ無能に近かった。
だが、光のある所の情報を得る事くらいはできる。そして、謎の言語を使用し、相手と会話してくる。
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