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「宮本さんは、有働さんの元彼女ですね。中学一年から、高校二年まで付き合っていた……別れたのではなく、宮本さんは高校三年に進学した春に、突然、消えた」
「それで?」
肯定も否定もしない所がミソだ。有働は、俺を試しているのだろう。
「消えた原因は分かっています。宮本さんの家は、借金で夜逃げしている。駿河、一家心中とかか?」
「違うな……そんな感じではないよ。宮本さんは、夜逃げの親から離れて、親戚の家に行った。そこで、何かあったみたいだ…………」
高校は転校した事になっていて、ちゃんと編入していた。しかし、その編入先の高校で、卒業式には出席していない。だが、卒業した事にはなっていて、その高校は秋以降に、ほぼ授業がなかったので、失踪したと気付かれなかったようだ。
「親戚は失踪とも、行方不明とも言っていない。ただ、家出したと思っている」
探さなかったのには理由がある。それは、ミャーミャーの両親が夜逃げしていたので、一緒にいるという可能性が高かったせいだ。
「絶対に、ミャーミャーは有働さんを見捨てない。だから、パソコンにいるのですね」
「…………………………、うん………………そうなのかもしれない」
有働は、他は否定しても、ミャーミャーの事は肯定していた。
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