第一章 ミャーミャーは猫じゃない

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 有働は、修理するだけではなく、情報にも強かった、様々なカメラや通信履歴で、ミャーミャーと、その兄の居場所を突き止めた。しかし、そのせいで、ミャーミャー兄妹は、又、離れ離れになってしまった。  だが、その情報漏洩のせいでミャーミャーが追い詰められたとしても、パソコンに宿った意味が分からない。  俺と有働の話を聞いているミャーミャーは、二次元の少女の姿から、淡いグレーの猫の姿になっていた。そして、話に頷きたり、首を振ったりしている。  しかも、ピーチクが中に入って会話してくると、このミャーミャーの存在は、有機体ともいえないが、ただの想像の産物でもなく、魂のようなものを感じるという。 「魂って、何だ?」 「ピーチク!!!」  この魂のようなものが重要で、生命の核とも呼べる存在らしい。 「ピーチク、文字は書けるよな?」 「ピーチククク」  ピーチクが有働の直した端末に入ると、画面に文字を打ち出してきた。その内容によると、ミャーミャーは有働を守る為にパソコンに宿ったという。そして、有働と、一緒に生活が出来て嬉しいという。 「有働を守っていたのか…………」  それに勘違いも訂正してきた。ミャーミャーの兄は、彼女と暮らしていたのではなく、彼女になって彼氏と暮らしていたらしい。 「ややこしい…………」
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