第一章 ミャーミャーは猫じゃない

14/15
前へ
/175ページ
次へ
 ミャーミャーの兄は、隠れる為に女装したが、それが自分への解放となり、男という縛りから外れ自由になったという。そして、彼氏を見つけ同棲していた。 「まあ…………それは、いいとして」  幸せを掴んだのならば、それは否定しない。 「ミャーミャーの新しい彼氏は、どうなったの?」  その相手は、ファミレスで知り合った男性で、ミャーミャーのニックネームが気に入り、同棲を始めた。 「ニックネームは、ミャーミャーでしょう?」  その相手は、かなりの猫好きであったが、アパートでは猫が飼えないと嘆いていた。そして、ミャーミャーを猫の代わりに飼ってもいいかと聞いてきた。 「猫の代わり…………」  一緒に寝たり、風呂に入ったりしたが、体の関係は無かったという。 「…………そういう奴もいるのか。ある意味、気味が悪いな」  しかし、その生活も長続きしなかった。 「男性の父親が倒れて、実家に帰る事になった。でも、ミャーミャーは連れてゆけなかった」  ミャーミャーは未成年で、その男性は三十歳であった。結婚も在り得る年齢だが、その男性は、ミャーミャーを女性と認識出来なかった。 「……それで、別れて、次の相手を見つけた…………」  今度の相手は女性で、ルームシェアであった。三人で、一つの部屋を借り、同居生活を始めた。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加