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第二章 ミャーミャーは猫じゃない ニ
ミャーミャーが、何故、怒っただけで撮影を許したのかは、残っていた画像で分かった。
「可愛い………………まるで、映画みたいだな」
ミャーミャーの写真は、愛情が溢れるもので、まるで友人の一人になったかのように、錯覚してしまいそうだった。それに、ミャーミャーの笑顔は本物で、心の底から笑い、泣き、怒っていた。
画像は、部屋に同居する四人目の気分で、楽しむ事ができるような仕組みになっていた。悪意が微塵も感じられず、変な裸の写真などもなかった。多少、背中や腹が見えるときもあるが、エロではない。
「……この画像がキモで、ミャーミャーはパソコンに入れたようだ…………」
この画像には、魂が宿っていて、ミャーミャーは、何らかの理由で死んだ時に引き寄せられてしまったようだ。
「冥界にもミャーミャーがいるのでしょう?」
「いるけれど、魂が半分しか来ていない」
半分に分割するという事が、人間の魂で出来るとは思わなかった。それは、まるで双子の駿河と建治のようで、冥界と通信できるようになっているらしい。
「俺は、ミャーミャーと暮らしていたこの二人に会ってみたい。修理代は、それでチャラにする」
修理は雪谷に頼まれた代物なので、チャラにされても嬉しくない。しかし、雪谷から連絡がきていて、それを黒船の依頼にするとあった。
どうも、雪谷も機械に強くないので、有働を黒船に取り込みたいらしい。
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