第二章 ミャーミャーは猫じゃない ニ

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「…………依頼となった」 「探すか………………」  パソコンに魂を入れるほどの画像は、確かに少し気になる。 「よろしくお願いします、駿河さん」  有働が駿河に頭を下げているが、俺を無視していた。しかし、帰ろうと立ち上がると、ドアに隠れてハグしてきた。 「噂以上だ。八起ちゃんは、地球人の純血種…………見ると血を吸いたくなる…………」 「え?吸血????」  有働は俺にキスすると、唇に噛みついて血を舐めていた。 「クソマズ!!!!!!!!!凄いね、コレ!こんなに不味いものは、初めてだ」  不味いと言いつつも、有働は笑顔になっていた。 「……もう孤独じゃない」  変な感染症が蔓延したら困るので、ここはきっぱりと否定しておきたい。 「血を舐めたら、俺の所有者の一人になるからな…………その他!大勢ね!」 「それでもいい」  俺の血に、どんな効力があるのか分からないが、分かっている事もある。それは、俺の血を舐めた者は、俺の所有者の一人になるという事だ。そういう意味では、もう孤独ではないのかもしれない。 「マズ!!!!!!!!!!クソマズ!!!」 「……そんなに叫ばなくても…………」  飲食店の裏なので、不味いを連呼しないほうがいい。それに、俺が傷付く。  初対面でキスされるとは思っていなかったが、有働の情報が流れ込んでくると、その孤独の重さを知った。それは、俺の孤独とリンクして響き、どこか親近感を感じる。
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