第二章 ミャーミャーは猫じゃない ニ

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 金太郎は、夜は黒船で造る料理を提供している。黒船が、忍坂兄弟人気で、見事に女性ばかりなのに対して、金太楼の客はほぼ男性客であった。 「八起ちゃん、日替わり三つ。帰りに日替わり、今食べたものと違う内容で弁当にして三つね。それと、コーヒーをポットで持ち帰り」 「かしこまりました!」  ここの客は、平気で自分でメニューを作り注文してくる。本日の日替わりは一種類なのに、内容の異なる日替わりとは何だろう。だが、そのまま黒船の厨房に言うと、了解の返事がきていた。 「八起、人気あるな……俺達も頑張らないと」 「八起、新しい人をスカウトしている」 「俺達がいるのに???!!!」  金太郎には、奥州谷 慶宗の孫の三つ子がきていて、ほぼ自分の家のように寛いでいた。この奥州谷は、表向きは金融会社のようになっていたが、未だに何屋なのかわからない。だが、慶宗の妻、多満子は裏の稼業で有名な人の娘らしい。 「俺達の凄さをみせなくては」 「店を手伝うか?」 「よし!」  三つ子は、斗真、恵吾、進務という名前で、豪華客船を購入し、海の上に住む事を夢にしていた。 「……勉強してください」
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