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今日は、黒船の上にある喫茶店、金太楼の常連客も来ていた。俺が歩み寄ってオーダーを聞こうとすると、客は俺の手を掴んで握り締めていた。
「はあ!!!疲れた。八起ちゃん成分が不足してしまって…………充電させて……まだ、これから仕事だからね…………」
「お仕事、頑張ってください!!」
客が俺の手を握ったままで、離そうとしないので、駿河がカウンターから出てきて頭を下げた。
「あの……」
「あ、オーダーだよね。お勧めを二つ」
メニューに、お勧めなどというものはないが、金太楼の客はいつもこうなのだ。好みは覚えているので、厨房の寿村に頼んでおこう。
「かしこまりました。繰り返します、お勧め二つですね?」
黒船は、普段は女性客で一杯になっている。だが、今日は忍坂兄弟が揃って休みなので、男性客が多くなっていた。
「あと、八起ちゃんね」
「はい!頑張ります」
駿河はやや呆れているが、そんな客にも慣れていた。だが、やはり対応に疲れているようだ。
「八起ちゃん、こっちにも追加オーダーを取りにきて!」
「はい!今行きますので、少々お待ちください」
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