第二章 ミャーミャーは猫じゃない ニ

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「ミャーミャーは、元人間だしな……」 「え???ミャーミャーは幽霊なの?」  幽霊というよりも、ただの記憶なのかが気になる所だ。 「俺は、ミャーミャーが一緒に暮らしていた女性を探す……」  有働は家族を信じていない。だから、ミャーミャーを追う事で、繋がりは何かを探しているのかもしれない。 「有働は、役に立つかもしれないけれど、俺達の八起にキスして、血を舐めたのは許せないな」 「…………何で知っているの?盗撮しているのか?」  それは、有働を知ってゆく内に分かってきた。家族との繋がりを切られてしまった有働は、確かなものが何も無かった。だから、もしかしたら、俺と繋がる事が何なのか知りたかったのかもしれない。 「盗撮ではなく、警護だ」  やはり、盗撮していたようだ。 「ミャーミャーは画像を多く残していて、それは売買されていた。でも、高額ではなく、かなり安価だった」  何故、安価だったのか分からないが、だから多くが出回った。しかも、無料では無かった事で使い捨てにはならなかった。  様々な人が、ミャーミャーと三人の暮らしを保管していて、それを繋げてゆくと、楽しかった日々だったと分かる。 「……ミャーミャーの人生の結末は、何だったのだろう」  この三人の奇妙な暮らしの先に、結末が待っていたのだろうか。
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