第一章 ミャーミャーは猫じゃない

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「それで、駿河、俺は面白い噂の主に会ってみようかと思っている」 「だから、八起。一人で行くなよ。何回、誘拐されたと思っている?そして、何回、殺されかけた?」  この地球人の純血種という、かなりレアな存在のせいで、幾度も俺は誘拐されていた。 「九回くらい?」 「合せて、二十回はいくよ……」  駿河は溜息をつくと、一緒に行くから、明日は駅前で待っていろと言っていた。 「え、駿河も来るの?」 「直哉も紀行さんもいない時に、八起に何かあったら困るだろう」  俺は男なので、自分でどうにかできる。しかし、機械には弱いので、駿河が来てくれると心強い。 「わかった。明日ね」  俺は獣医を目指し、駿河は建築を学んでいた。同じ大学二年生なのだが、俺は早生まれなので一歳差になる。お互いの大学は黒船のある駅を中心とすると、逆方向なのだが、そう遠くはない。
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